top of page

第131回定例会


第131回

ジャスロン代表 笈川幸司氏

開催日

7月18日(月) 19:00 ~ 21:30

開催場所

香港和僑会オフィス(https://www.wa-kyo.org/contact)

参加者数

33名

第131回定例会「中国の若者を変える」

第131回定例会のゲストは、今月外務大臣表彰を受賞された笈川幸司先生です。

笈川先生は、北京大学の日本語教師でいらっしゃいます。2001年に初めて中国に渡り、今年で16年。コンテストの運営や、中国各地での講演、笈川メソッドを使った(一度に400人に対して行う)日本語の授業、学生にスピーチコンテストの指導など、多方面に渡りご活躍されています。

まずは、ざくっと笈川先生がなぜ中国に渡り日本語教師になったのかをご説明しようと思います。

2001年、日本語教師としてではなく、

彼女を追って導かれるままに中国に辿り着きました。中国という場所ではなく彼女の事しか頭にない毎日。。

その彼女にある日振られてしまいました。突然何もなくなってしまい、ヤケ糞になる毎日。

自分には価値がない、誰にも求められてない、自殺したいという思いから、、

それならば一層の事「今までの価値観を全てひっくり返して生きてみよう」という考えに至りました。

今までの自分の「楽してできるだけ沢山のお金を稼いでやろう」という考えから、「できるだけお金を貰わないで、できるだけ損をしてやろう」と。そして選んだ職業は、当時職に困った人が最後に辿り着く日本語教師という職業だったのです。要は、日本人なら誰でもできる職。

一度死んだと思った人間は、何でもやります(笑)

彼は、必死に働き、報酬はできるだけ少なく、

自分の時給をできるだけ低くする為に動き続けました。

そこから生まれる新しい自分を実は待っていたのかもしれません。

そうやって動き続けると、自ずと人の為に動いていることが多くなります。感謝されることが増え、その形が見えて来ました。

そこからの彼が早かったのです。。

5年間で315回もの講演をしました。中国人の習性を読み、一つの大学の講演が終わるとそのまま紹介、そして又紹介と繋いでいきました。

2012年9月に大規模な反日デモがあった時も講演を続けました。

ここからは少し、笈川メソッドについてお話ししたいと思います。

彼の準備している教材からは、日本語を教えるだけではなく、日本という国、日本人の心、そして先生自身の為人をそのまま映し出す様なレッスンを感じます。

例えば、「反日精神」を取り上げ、どうして中国人が日本をそう思うのかを突き詰め、そして中国が日本にしてくれたこと、日本が中国にしたことの良い面を丁寧に書き上げ、学生にその良い面を知らせます。

笈川先生のレッスンは、心のレッスン、人を育てるレッスンに繋がっているのです。

反日の中でも、中国人 のことを理解した上で、屈することなく日本人の考えややってきたことをきちんと伝え続けられていました。

今回の講演の中で、特に印象に残ったのは、

「3つのセンテンスを毎日言うだけで自信がつく言葉」

それは、

1.私は、天才です。

2.日本語は、簡単です。

3.絶対大丈夫です。

学生のモチベーションを上げる方法としては、

1.1年後には必ず喋れるようにしてあげます!(と嘘でと言う)。

2.イベントなどの色々なチャンスを作る。

3.教師自信も自分を高めマインドを上げる。

日本語のレッスンでは、

1.文法、語彙は教えず、会話の型にこだわる。

2.「い」の口で話させる。

3.覚えないで。宿題しないで。と言う。

また、人を動いて貰う方法としては、

1.人を立てて、下から頭を下げてお願いする。

2.二度目の時も、初めてのように話す。

3.相手の面子を考えて話す。

などなど、日本語の専門的な事の他にも、和僑会のメンバーにも大変勉強になるお話しをして頂きました。

正に笈川先生の風貌からは、中国を這いつくばって隅々まで見て生きていたその生き様が滲み出ている様でした。そして、その腰の低さは、その中で身に付けられた生き方だと思うと、頭の下がる思いでした。

(文責:香港和僑会、執筆:香港和僑会会員 鈴木妃佐子さん)

最新記事
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page